ASUS Nexus 7 2012 USBコネクタ交換 その1

奥さんに譲ったNexus7 2012年モデルが、なにやら充電できないと相談を受けました。
ケーブルを交換してもダメ、純正チャージャーからつないでもダメ。元々少し調子が悪かったので、分解して調べてみることにしました。

ネットで情報を集めてみると、どうやら2012,2013両モデルで同じ症状が発生しているようで、MOUMANTAIさんの公式ブログでも多くの修理事例が載っています。

分解手順を張り切って解説しようと思ったのですが、デバイス分解の老舗「ifixit.com」にNexus7 2012年モデルの分解方法が載っていたので割愛(おい)します。ちなみにこちらの記事ではカッコイイ専用ツールを使って背面パネルを分解していますが、親指のツメでぐっと押すだけで簡単に開きました。超強力な両面テープなども使われていないので気軽に外せるの設計になっているのが好感を持てます。自分の分解人生を振り返っても歴代1位に輝く簡単さです。

20150214_全体図

裏蓋を外したところです。既にUSBコネクタが下部に見えています。

20150214_ねじを外す箇所

USBコネクタの全面にはスピーカーモジュールがついていますが、こちらは3カ所のねじとコネクタを外せば簡単に取り外せます。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA

スピーカーモジュールを外すとUSBコネクタが露出します。USBコネクタはマイクジャックと共通のフレキシブルケーブルに接続されています。こちらは5カ所のねじとコネクタを外せば簡単に取り外せますが、コネクタのロックを外す方向だけ少し注意が必要です。

20150214_コネクタ取り外し

こちらはコネクタのロックを解除した直後の状態です。上図の矢印の報告にロックを持ち上げることでコネクタとフレキシブルケーブルを分離することが出来ます。

20150214_導通チェック

ここからが肝心の充電不良の原因調査です。
かなり強引な方法ですが、5Vの充電器に繋いだ状態のUSBケーブルを取り外したUSBコネクタに接続して導通チェックしてみます。

マイクロUSBコネクタの場合、1番ピンと5番ピンにそれぞれ+5VとGNDが接続されているので、この間の電圧を計って電圧が来ていればOKです。

・・・あれ、電圧出ないな・・・

20150214_コネクタ割れ

ハンダ割れも疑いましたがどうやらそうでもなさそうで、しかし何となくコネクタの端子部分を覗き込んで納得しました。画像では見にくいですが、内部の端子の両側が欠けて半分ほど消失しています。どうやら3歳の息子が充電中に無理矢理ケーブルを引き抜いたらしく、恐らくその際に端子の両端に負荷が掛かって欠けてしまったのではないかと思われます。

Nexus7のコネクタの耐久性が低い可能性もありますが、これってマイクロUSBのBコネクタの構造上の問題のような気もします。しかもトラブルが発生した場合、比較的安価なケーブルよりも機器側が破損してしまうというのはかなり致命的。

そう考えると最近あまり見かけなくなったMini-Bコネクタの方が優秀に思えてきました。ちょっと時代遅れっぽい感じで見ていたのですが、改めます。ごめんMini-B。

たまたま手元に秋月電子で購入したBコネクタがあったのですが、外側の形状が異なるため残念ながら使えそうにありません。やはりNexus7用の交換用コネクタを探す必要がありそうです。

5分くらい悩んで結局Aliexpress.comのこのショップで購入。2個で1,176円は高いですが背に腹は代えられません。

ちなみにMOUMANTAIさんでも1個から販売しているので、中国からの発送という配達スリルがご不要な方はこちらをおすすめします。MOUMANTAIさんはクロネコメール便で無料発送してくれるので、コネクタ1個あたりの単価で考えるとAliexpress.comで購入するのと大差ありません。自分大失敗。

とりあえず気を取り直して、中国からコネクタが到着するまで時間があるので、今日は破損したコネクタだけ外しておくことにしました。

20150214_コネクタカット

まずはUSBコネクタを固定している、4つの羽根のような部分から取り外します。
本来はハンダごてでハンダを溶かしながら、少しずつ持ち上げてやるのが正しいやり方なのかもしれませんが、自分はワイルドにニッパーで切断してしまいました。羽根の残骸はUSBコネクタ撤去後に除去してやればよいので合理的です。

はい、ここまではよかったんです。

20150214_パターン飛ばした

パターンからUSBの端子を外して撤去完了・・・のはずがここで大失敗。
上の写真でお気づきの方もいらっしゃるかもしれませんが、5本あるはずのパターンが3本しか残っていません。そう、両側のパターン飛ばしてしまったのです! orz

こんなことならいっそフレキシブルケールごと購入すれば良かったじゃん・・・と嘆いても後の祭り。アフターフェスティバル。ここから何とかするしかありません。

泣きながらカッターを取り出して、フレキシブルケーブル表面のマスクをカッターの刃の反対部分で少しずつ慎重に削り始めました。そう、ジャンパーするのです。

20150214_マスク削り

両側のマスクを削り終えたところです。

先ほど書いたようにマイクロUSBの両端はそれぞれ+5VとGND。そのためどちらも広い面積で基板上に印刷されているため比較的簡単に作業を進めることができました。まさに不幸中の幸いです。

20150214_ハンダペースト

露出したパターンにハンダペーストを塗りつけてハンダのノリを良くします。
いまさら気がつきましたがプリント基板には使用不可でした。フレキなので多分セーフ。

20150214_ジャンパ

で、最終的にできあがったのがこちら。
写真だと分かりにくいですが、割と綺麗にハンダがのってます。

ひとまず今日はここまで。
中国からコネクタが届いたら、続きます。

2016/06/11 追記
実際にコネクタを交換した時の記事はこちらから

USBシリアル変換アダプタ(CP2102)からDTR信号を引き出す

前回の投稿の続きです。

Arduino公式ドキュメントによれば、Arduio Pro Miniはプログラム書き込み時にリセット信号をGRNピンに送信する(またはリセットボタンを毎回押す)必要がありますが、私が購入したUSBシリアル変換アダプタ(CP2012チップ使用)には、その機能がなかったため、アダプタを少しだけ改造してみました。

CP2102_usb_serial_adapter

最初はピンヘッダのひとつに「RST」という記載があったので、てっきりこれがArduinoのリセットに使えるとばかり思っていたのですが、CP2012のデータシートを確認したところ、CP2012をリセットするための信号でした。ちゃんとデータシート読まないとダメですね(汗)。

CP2012_DTR
その代わり?28番ピンにDTR(データ端末レディ)信号が出ているのを見つけました。
28番ピンは何処にも接続されていなかったので、この信号を何とかしてArduino Pro Miniに繋いでやることにします。

CP2102 howto

具体的には、RST用のピンヘッダを拝借して、代わりにDTR信号を送ることにしました。
最初はRST用のピンヘッダから9番ピン(RST)へ繋がっているパターンをカットするつもりだったのですが、途中に抵抗R3がハンダ付けされていたので、こいつを外してパターンカットの代わりとして、さらに空いたランドに積層セラミックコンデンサを取り付けました。

capacitor 0.1μF (104)

積層セラミックコンデンサは0.1μF(104)を使用しています。Arduino公式の回路図を見ると、DTRからRESETへのラインには0.1μFが入っているので、積層セラコンを入れずに直接28番ピンをRSTピンに繋いでも動作するかもしれません(未検証ですが)

CP2102_modified

できあがりはこんな感じになります。
積層セラコンの足はなるべく短くカットしてみました。長すぎると抜き差ししているうちに指が当たってパターンごと剥がれる事故が発生するかもしれないので。というかしました。(涙)

28番ピンには作業前に少しだけハンダをのせておくと作業がしやすいです。
ただし0.5mmピッチなので隣のピンとくっついてしまわないように注意して下さい。

arduino_pro_mini_connected

Arduino Pro Miniと接続してみました。こうしてみるとPro Miniの小ささが際立ちますね。
小さなデバイスを作りたいユーザにとって、この小ささと低価格(互換機だとさらにお安く!)が大きな魅力です。ブレッドボードに直接刺さるというのもお手軽で良いですね。

もし安価にArduinoを試したい!という方はぜひチャレンジしてみて下さい。
もちろん最終的には自己責任でお願いしますが、もし質問などあればコメント欄にお願いします。m(_ _)m